実技試験についてのポイントをまとめてみました
気象予報士試験の最後にして最大の難関である実技試験は記述式の独特な試験です。多くのベテラン受験生が学科の2科目までは合格できるけど、実技試験が合格できずに1年の免除期間が終わってしまうという経験をされています。そこで今回は実技試験の持ち物や準備、心構えなどを考えてみました。
これは実技試験に限ったことではありませんが、実技試験に向けて1日のコンディションを整えておきましよう!
受験票
時計(普段スマートウォッチを使っている人は特に注意!)
試験中の筆記用具(次にまとめています)
お昼ご飯とおやつ
自分でまとめたノート、なければ一番信頼できる参考書1〜2冊
受験票は前日までにカバンに入れましょう!試験会場が遠方の人は試験会場への行き方や時間なども前の日までに確認してスマホにメモしておきます。
時計は腕時計がオススメですが、好みで置き時計でもいいでしょう。もちろんスマートウォッチは不可です。
普段Apple Watchを使っていたので、前日に腕時計の電池が切れていることに気づいて慌てて電池を交換たよ。
午前2科目めの学科専門試験と午後最初の実技1は休憩が1時間しかありません。また、試験前の説明があるので10~15分前に着席する必要があります。会場周辺の状況も分かりませんし、意外と時間がありませんのでお昼ご飯は持参することを強くオススメします。ただ、食べすぎると一番大変な午後の実技試験で胃もたれや眠気に襲われるので、ほどほどにしましょう。
こんな大変な試験中に胃もたれとかしたら大変ね。足りなかったら休憩時間にチョコとかあめを食べようかな。
試験当日は参考書や問題集を全部持っていきたくなるでしょうが、どうせ読む余裕なんてありません。実技試験の最終確認には自分でまとめたノートを1冊、なければ一番信頼できる参考書を1冊持っていけば良いでしょう。タブレットやスマホにまとめたものでも大丈夫です。特に試験会場が遠方の人は重たい荷物で疲れてしまっては元も子もありません。
気象予報士試験の会場って少ないから会場に行くのも大変ね。
気象予報士試験を実施する気象業務支援センターが受験案内で記載している所持品は以下の通りです。これは全科目共通です。
鉛筆またはシャープペンシル(いずれも HB または B の⿊)、プラスチック製消しゴム、ものさしまたは定規(三⾓定規も可、 分度器の機能がついたものは不可)、コンパスまたはディバイダ(⽐例コンパスや等分割ディバイダ、⽬盛り付きディバイダなど特殊な機能がついたものは不可)。 ※電卓、分度器、マルチ定規、縮尺定規などは不可。
⾊鉛筆、⾊ボールペン(消せるタイプも可)、マーカーペン、鉛筆削り(電動式、ナイフ類
は不可)、ルーペ、ペーパークリップ、時計(通信・計算・辞書等の機能付きや⾳の出る時計は
不可、携帯電話・各種通信端末による代⽤は不可)。
また、当然ですが⽂字や記号、線や⽬盛りを書き込んだり、貼り付けるなど、加⼯や改造を施したものの使⽤は禁⽌です。
「ものさし」と「定規」の違いってなに?
「ものさし(物差し)」とは長さを長さを測るためのもの、「定規」は直線を引くためのものね!現代の定規はほとんど目盛がついているからものさしの機能もあるってことだね。
じゃあ「コンパス」と「ディバイダ」は?
コンパスは小学校で円を書くために使った片方が鉛筆芯になっている円を描くためのものだよ。ディバイダはコンパスと同じような形をしているけど両方とも針がついているよ。ディバイダの方が正確な長さを比較できるけど、気象予報士試験では円を描くこともあるからコンパスの方が使いやすいかもね。
ちなみに、こんなマルチ定規みたいな特殊な文房具は基本的に使用できないよ。少し前の試験から明記されたみたい。
まぁ実際はまだ使っている人もちらほらいたけど、もし指摘されたら最悪受験できなくなってしまうからね・・・
使い慣れたシャープペンシル2本
丸くない消しゴム2個
プラスチック製の透明な定規1本
コンパス
マーカーペンまたは色鉛筆
3cmくらいにカットしたセロハンテープ2枚
筆記用具は必ず使い慣れたものを2本持っていきましょう。もし落としてしまったときに大きな時間ロスになってしまいます。逆に3本以上の持参はオススメできません。心配性の人は4本、5本持って行く人もいますが、気象予報士試験の会場の机は必ずしも広くなく、また多くの資料を広げて問題を解くため、基本的に机のスペースが足りません。また3本以上持って行っても、1本でも落とせば動揺してしまうかもしれません。そんなわけで、私は2本をオススメしています。
消しゴムも同様に2個持っていきましょう。丸くなってしまった消しゴムは転がって落としてしまう可能性があるため避けた方が無難です。
確かに必死に問題解いている時に手に当たって落ちてしまったら悲しい・・・。
定規は必ず透明で反対側が透けるものを使用しましょう。緯度や距離を測るときなどに図がしっかりと確認できたほうが正確に測定できます。方角の目安とするために三角定規を使用するのもオススメです。私はできるだけ透明で目盛がシンプルなこれを使用しました。
コンパスは人によりますが、私はあまり使いませんので、小学校で使ったものを使用しました。距離を測定したり、等分線を引くなどで活用する人は使いやすいものを使用した方が良いかもしれません。また、たまに「台風の中心から〇〇kmの範囲で〜」といった問題が出たときは問題を解くために円を描くことがあります。
マーカーペンや色鉛筆も好みで大丈夫ですが、いずれかは持っていた方が良いです。特に等圧線や等温線の補助線を描く問題では、その等線の数値の前後の線を色分けすることでかなり解答がしやすくなります。
補助線は先に赤(高温側)と青(低温側)を引いてから考えると視覚的に解きやすくなりますよ。
セロハンテープは気象予報士試験では定番となっている技で、試験中は机の角に受験票を置いておく必要がありますが、前述の通り机のスペースが足りないため、問題の資料を広げているうちに当たって落としてしまうことがあります。そのようなことがないようにセロハンテープで固定しておくと気が散らなくなります。持ち物には記載がありませんが、少なくとも今までこの方法が試験官に指摘されたという話は聞いたことがありません。
2回目の試験は会場も変わっていたけど、本当に机にスペースがなくて困ったよ。試験会場によっても全然違うから筆記用具は厳選したほうが良いよ!
ぼくが持っていったものはこれだけだけど、必要に応じて細かい字を見るためのルーペや、切り離した問題を止めておくためのクリップを持参される方もいるそうな!時計は机のスペースのことを考えたらやっぱり腕時計がいいと思うな〜。
試験会場が遠い人で、午前の1科目目の一般知識も受ける方は朝早いでしょう。それ以外の人もできるだけ早めに準備を終わらせ、前日の夜は勉強もほどほどに早めに寝ましょう。
朝6時半に出発しないと間に合わなかったから前日は寝坊しないか不安だったよ。
当日は不安で最後の追い込みをかけたくなる気持ちもわかります。ですが当日勉強できる時間なんてわずかですので、持参する参考書は最小限で大丈夫です。一番信頼できるものや自分で作ったまとめノートを持っていきましょう。当日に複雑な計算問題やトラフや前線を描く問題を勉強する余裕なんてありませんので、暗記問題を中心に復習します。オススメは一般知識の法律問題や学科免除の受験生は実技試験の記号や気象用語の定義の再確認です。
試験当日に難しい問題解く余裕なんてないわね。それなら荷物減らして身軽な方が良さそう。
ぼくはiPadのメモに記号や気象用語をまとめて当日はそれだけ持って行ったよ。過去問も精選問題集もPDFで入っていたからこれだけで十分!精選問題集は中のハガキを出版社に送ればPDF版をもらうことができるから超オススメ!
実技試験は時間との勝負ですので、1分考えてさっぱりわからない問題はすぐ飛ばして最後に解きます。また、割り切って時間のかかりそうな問題も後にして一度最後まで解いてしまうのも策です。途中難しすぎてショックを受けるかもしれませんが、大体最後の問は解きやすいことが多いです。
休憩時間は終わった試験のことは忘れ、おやつや飲み物を摂取し休みましょう。次の科目の最終確認をしてもいいですが、試験官による試験の説明が始まったら勉強をやめて5分くらい瞑想しましょう。
試験前の説明って科目ごとにあるけど、同じだからいつも眠くなっちゃう
実技2まで終わったらあなたは力を使い果たしていることでしょう。そのあとは自由です。試験を忘れて観光するもよし、コロコロと変わる解答速報に一喜一憂しながら自己採点するもよしです。
1回目の試験はあまりの疲労で会場付近の喫茶店で3時間ほど燃え尽きていました。数年ぶりの大阪だったので本当は観光するつもりだったんだけど・・・。
2回目の試験では少し余裕があったので、大阪名物たこ焼きを堪能して、お土産を買って帰ったなぁ。
頑張って勉強した試験ほど当日は緊張するものです。気象予報士試験は難しい試験ですがちゃんとやっただけ結果に繋がる試験だとも思いました。一夜漬けで受かるような試験じゃないからこそ、当日や前日ぐらいはゆとりを持っても結果が悪くなることはありません。この記事が気象予報士試験を受験する人に向けて役立てば幸いです。
よかったらこちらで最近の実技試験の解説もしているのでみてください!