令和5年度第2回 第61回気象予報士試験 実技1 問4

気象予報士試験の過去問とその模範解答は一般社団法人気象業務支援センターにて過去5年分(10回分)が公開されています(http://www.jmbsc.or.jp/jp/examination/examination-7.html

問題文や図、模範解答などはそちらから入手してください。図や問題文等の引用は気象業務支援センター様にご了承いただき掲載しています。

また、模範解答以外の考察等の内容は全て私見です。気象業務支援センターの見解ではありませんのでご注意ください。

①などはPC上の表記の関係で[1]と記載しています。

問3はこちら

問4

(1)模範解答図をご確認ください

気圧や気温の補助線を記載する問題は問題の図にマーカーペンなどで色分けすると解答しやすくなります。(解答用紙にマークしないでね。)

例えば0℃の等温線と、0<気温<1の観測点を青色、2℃の等温線と1<気温<2℃の観測点を赤色でマークし、ちょうど1℃の観測点を緑色でマークします。

1℃のラインは必ず赤線または赤点と青線または青点の間を通り、加えて必ず緑色の1℃の観測点上を通ります。明瞭なところから描いていき、観測点が無く正確に描けないところは滑らかな曲線で繋げます。丁寧に描く場合は観測点からの距離を温度で加重して描くと良いですが、試験時間は限られているため目分量で良いと思います。上記の下線部分を厳守し、明らかな誤りがなければ大きな減点はされないと思います。

ちょうど1.0℃の点は必ず上を通さないと確実に減点だよ。逆にそれ以外の点は線と被っちゃダメだからね。

こういう問題ってパズルみたいで楽しいよね♪

(2)[1]シアーラインの北西側は、南東側と比較して相対的に低温となっている。

これも頻出問題ですので、「シアーラインの[方角]側で[〇〇]、[反対の方角]側で相対的に[△△]となっている。」と解答文ごと覚えてしまうと簡単です。

今回は気温分布のみ聞かれているため比較的簡単な問題かと思いますが、問題によっては加えて風向、風速などの分布の特徴などを聞かれることもあります。

[2]通過した時刻:17

天気の変化:雨が雪(みぞれ)に変わる。

勝浦の時系列図を確認すると、ちょうど16時から17時にかけて気温が2.6度下降し、風向が北北東から北北西に変化しています。つまりこの間にシアーラインが通過したと考えられます。問題文の通り、「通過した時刻」とは、図において通過したと判断される最初の時刻、とあるため17時となります。下線部分を書かせるような問題も非常によく出題されていますので答えられるようにしましょう。

17時の前後3時間(14時から20時)の時系列図を確認すると、降水ありとなっており、後の情報は17時前の気温の低下と風向の変化です。気温は一気に5℃前後から2℃以下に低下し、雨から雪に変わったと容易に想像できます。加えて、図11の一番下に、「勝浦の降水量と降雪量は省略」と書かれていることから、出題者の意図を考慮するとここで雨→雪へと変化があったと答えさせたいと勘ぐりました。

(3)[1]3

東京の気温は6時から12時までの6時間で4℃から1℃まで3℃下降しています。

[2]40(50)

同様に湿度は約53%から約98%まで上昇しており、10刻みの整数で記載するため40または50が正解です。

[3]蒸発 [4]融解 [5]昇華 [6]冷却(冷や)

まず気温が低下した要因を聞かれているため、[6]の冷却を最初に埋めました。すると、気温が低下する原因となる現象を解答すれば良いため、雨滴→[3]蒸発、雪片→[4]融解 [5]昇華が自然と選択できます。一般知識で学習する基礎的知識であるため自信がない場合は復習しましょう。

(4)[1]大雪注意報:16 大雪警報:18

単純に1時間降雪量を合計して、基準値を超過する時間を解答するだけです。

[2]着雪注意報(着氷注意報) 根拠:気温が0℃前後で大雪となっているため。

着雪注意報は結構な頻出問題ですので、根拠の解答の通り覚えると良いでしょう。

ちなみにぼくは着雪注意報を書いた時点で時間切れで、根拠の部分を白紙で出してしまいました。また時間配分で取れる点を取りこぼしたし、この時点で絶対落ちたと思ったよ・・・。

きみ前回の試験でも同じことやってるじゃない。反省してよね?

問4は答えやすい問題ばかりで、本番で解きながら時間配分が非常に重要だったと痛感しました。結構最後の問は解きやすい問題であることも多いので、やはりとにかく最後まで解けるように時間配分を意識することが大切だと思います。

総評

過去10年分くらいの過去問を解いて2回目の本番に挑みましたが、全体的に素直で過去問の類題も多く、比較的解きやすい印象を持ちました。ただし、相変わらず時間は足りないことと、問4が解きやすい問題であったため、問2や問3で時間を使いすぎて問4を解き切れないと合格はかなり厳しいと思います。逆に問1と問4を完璧にしておけば、問2や問3の中の何問か難しい問題を落としても合格点までもっていけるのではないかと思います。

例年最後の問は解きやすい傾向にあるので、「問1の後に問4を解いてしまう」というのも一つの手なのですが、一応問4も全体の気象条件の前提があっての問題になるので難しいところですね。自分はいったん分からない問題を飛ばしながら順番通り解いて、最後に飛ばした問題を解くというスタイルでやりました。(・・・が失敗して問4の最後を記述する時間がなくなってしまったんですが。)

分からない問題をなるべく早く諦める決断が試験対策としては非常に重要であると実感しました。まぁそれを本番の緊張感の中で実行する度胸がなかなかつかないんですけどね・・・。

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第61回 実技2はこちら

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